がんリスクを下げる予防医学 ~検診・生活習慣・禁煙のポイント~
- がん検診を定期的に受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。
- 生活習慣の改善や適度な運動は、がんリスクを下げる効果があります。
- 禁煙は、がんのリスクを大幅に減らすことができます。
がん検診の重要性は知っていますか？
がんは日本人の死因の第1位で、国民の3人に1人ががんに罹患すると言われています。しかし、早期発見・早期治療によって、多くのがん患者の命が救われています。がん検診を定期的に受けることは、がんの早期発見・早期治療につながり、大切な命を守ることができます。
がんの早期発見が命を救う
がんは初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると治療が難しくなります。しかし、がんを早期に発見できれば、手術などの治療で完治する可能性が高くなります。実際に、国立がん研究センターがん情報サービスによると、胃がんの5年相対生存率は、早期がんなら92.4%ですが、進行がんでは35.6%にすぎません。
がん検診の種類と対象年齢
主ながん検診には、胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診などがあります。対象年齢は自治体によって異なりますが、概ね以下のようになっています。
- 胃がん検診: 40歳以上
- 肺がん検診: 40歳以上の喫煙者など
- 大腸がん検診: 40歳以上
- 乳がん検診: 40歳以上の女性
- 子宮頸がん検診: 20歳以上の女性
実践のヒント
がん検診を受けるのに抵抗がある人も多いかもしれません。
- 自分の健康は自分で守る意識を持ちましょう。
- 検診は少し時間がかかりますが、命に代えられるものではありません。
- 検診は痛みも少なく、簡単に受けられます。
- 自治体によっては費用の一部が助成されることもあります。
がんリスクを下げる生活習慣とは？
がんの発症には、遺伝的な要因だけでなく、生活習慣も大きく関係しています。特に食生活と運動習慣は、がんのリスクを左右する重要な要素です。健康的な生活習慣を心がけることで、がんのリスクを下げることができます。
健康的な食生活
野菜や果物を中心とした食事は、がんのリスクを下げる効果があります。特に、食物繊維や抗酸化物質が豊富に含まれています。一方、赤身肉や加工肉、塩分の過剰摂取は、がんのリスクを高める可能性があります。バランスの良い食生活を心がけましょう。
事例紹介: 野菜不足の食生活から改善
Aさん(40代男性)は、仕事が忙しく外食が多く、野菜不足の食生活が続いていました。健康診断で軽い貧血と高コレステロール値を指摘され、食生活の見直しを決意。毎日の食事に緑黄色野菜を意識的に取り入れるようにし、3か月後の再検査では数値が改善しました。
適度な運動習慣
運動不足は、がんのリスクを高める一因となります。厚生労働省によると、週に2日以上の運動習慣があると、がんのリスクが低下する可能性があります。有酸素運動やストレッチなど、無理のない範囲で運動を取り入れましょう。
重要なポイント
- 野菜や果物を中心とした食生活を心がける
- 赤身肉や加工肉、塩分の摂り過ぎに注意する
- 週に2日以上の適度な運動を心がける
禁煙のメリットとは？
喫煙は、がんのリスクを大幅に高める主な要因の一つです。喫煙者は非喫煙者に比べて、肺がんのリスクが約10倍高くなると言われています。一方で、禁煙することで、がんのリスクを大きく下げることができます。
がんリスクの大幅な低下
厚生労働省によると、禁煙後10年で肺がんのリスクは非喫煙者と同程度まで低下するそうです。また、禁煙すれば、喫煙による他のがんリスクも徐々に低下していきます。がんのリスクを下げるためにも、禁煙は有効な手段と言えます。
注目データ
・喫煙者の肺がんリスクは非喫煙者の約10倍
・禁煙後10年で肺がんリスクは非喫煙者並みに低下
・喫煙は食道がん、膀胱がん、子宮頸がんのリスクも高める
禁煙のための実践的アドバイス
禁煙は簡単ではありませんが、健康のためには必要不可欠です。禁煙外来を利用したり、ニコチンパッチなどの禁煙補助製品を活用するのも一案です。周りの人の理解と支えも大切です。一日ずつ頑張りましょう。
参考文献・引用元
- がん情報サービス 国立がん研究センター 2023
- 健康日本21 厚生労働省 2022
