カーボンフットプリント(かーぼんふっとぷりんと)

カーボンフットプリントとは、ある製品やサービスが原材料の調達から生産、流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体で排出される温室効果ガス(二酸化炭素など)の総量を示す指標です。地球温暖化対策の観点から、企業や消費者が製品のカーボンフットプリントを認識し、低炭素化を進めることが重要視されています。

関連用語と表現

企業がカーボンフットプリントを把握することは、自社の環境負荷を正確に測定し、削減目標を設定する上で不可欠です。製品のライフサイクルを通して発生する温室効果ガスの排出量を、原材料の調達から製造、輸送、使用、廃棄に至るまで詳細に分析し、CO2排出の大きな工程を特定することができます。

一方、消費者にとってもカーボンフットプリントは製品の環境影響を評価する上で重要な情報となります。カーボンフットプリントの値が小さい製品を選ぶことで、自らの消費行動による環境への影響を低減できるためです。近年、食品や日用品などの製品にカーボンフットプリントが表示されるケースが増えています。

カーボンフットプリントの算出方法は、産業分野や製品カテゴリーごとに国際的な規格が定められています。算出に当たっては、原材料の採掘・製造から輸送、製品の使用、廃棄に至るまでの各段階で発生するCO2排出量を正確に測定する必要があります。

「カーボンフットプリント」の具体例

例1: ある自動車メーカーは、新型車のカーボンフットプリントを従来モデルと比較しました。その結果、新型車の方が生涯で排出するCO2排出量が25%少ないことが分かり、この数値を広告に掲載しています。

【解説】自動車のカーボンフットプリントには、原材料の採掘から部品製造、車体組み立て、輸送、使用、廃棄までの各段階が含まれます。燃費の向上などにより製品使用時のCO2排出が削減されたことで、ライフサイクル全体のカーボンフットプリントが小さくなったと考えられます。

例2: ある食品メーカーは、主力商品の1つであるレトルト食品のカーボンフットプリントを算出し、その値を製品パッケージに表示しています。これにより、環境に配慮した消費者はカーボンフットプリントの小さい製品を選ぶことができます。

【解説】レトルト食品のカーボンフットプリントは、原材料の生産、加工、パッケージ製造、製品輸送、消費者の使用、廃棄処分などすべての工程を含みます。メーカーはこれらの排出量を正確に測定し、製品ごとのカーボンフットプリントを算出しています。

カーボンフットプリントの算出と情報開示は、企業や消費者が製品の環境影響を認識し、低炭素化を推進する上で重要な役割を担っています。今後、さらに多くの企業や製品においてカーボンフットプリントの算出と表示が進み、環境配慮が企業や消費者の意思決定に組み込まれていくことが期待されます。

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