行動療法(こうどうりょうほう)

行動療法は、心理学の学習理論に基づいて開発された心理療法の一つです。問題となる行動や症状を学習された反応として捉え、新しい適応的な行動パターンを学習することで改善を図ります。従来の精神分析的アプローチとは異なり、過去の原因よりも現在の行動に焦点を当て、科学的根拠に基づいた具体的な技法を用いることが特徴です。不安障害、恐怖症、強迫性障害、依存症など幅広い心理的問題に対して効果が実証されており、現代の心理療法において重要な位置を占めています。

関連用語と表現

行動療法の理論的基盤は、パブロフの古典的条件づけやスキナーのオペラント条件づけなどの学習理論にあります。これらの原理を応用し、不適応な行動パターンを適応的なものに変容させることを目的としています。 主要な技法には、恐怖や不安を段階的に軽減する系統的脱感作法、実際の状況に段階的に慣れさせるエクスポージャー療法、望ましい行動を強化するトークンエコノミー法などがあります。これらの技法は、症状や問題に応じて個別に選択・組み合わせて使用されます。 行動療法の大きな特徴は、治療目標が明確で測定可能であることです。症状の改善度を客観的に評価でき、治療効果を数値化できるため、エビデンスベースドな治療として高く評価されています。また、比較的短期間で効果が現れることが多く、患者の負担も軽減されます。

「行動療法」の具体例

例1: 犬恐怖症の患者に対して、まず犬の写真を見ることから始め、次に遠くから実際の犬を見る、最終的に犬に触れるまでの段階的な練習を行う系統的脱感作法を実施。リラクゼーション技法と組み合わせながら、恐怖反応を徐々に軽減していく。

【解説】恐怖の対象に段階的に慣れさせることで、不適応な恐怖反応を適応的な反応に変容させる代表的な行動療法の技法です。

例2: 学習障害のある児童に対して、宿題を完成させるたびにポイントを与え、一定のポイントが貯まったら好きな活動ができるトークンエコノミー制度を導入。望ましい学習行動を強化し、継続的な学習習慣の定着を図る。

【解説】オペラント条件づけの原理を活用し、報酬システムによって望ましい行動の頻度を増加させる効果的な介入方法です。

行動療法は現在、認知療法と組み合わせた認知行動療法として発展し、うつ病や不安障害の標準的治療法となっています。デジタル技術の進歩により、VRを活用したエクスポージャー療法やアプリを使った行動記録など、新しい形態の行動療法も登場しており、より効果的で利用しやすい治療法として今後さらなる発展が期待されています。

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