クラウドネイティブなシステムで事業継続力を高める方法 ~災害に強い柔軟性と可用性を実現~
- クラウドネイティブなシステムは、災害に強い柔軟性と可用性を備えています
- クラウドネイティブなアーキテクチャを活用することで、コストを最適化しつつ事業継続性を高められます
- クラウドネイティブなアプローチを導入する際は、セキュリティとガバナンスに十分な注意を払う必要があります
クラウドネイティブ時代の事業継続を実現できますか?
自然災害や感染症の世界的な流行など、予期せぬ事態に見舞われることは、企業経営においてつねに意識しておかなければなりません。万が一の事態に備え、事業継続性を高めることは極めて重要な課題です。クラウドネイティブなシステムを導入することで、柔軟性と可用性に優れた災害に強いシステムを構築できるのではないでしょうか。
災害に備えるクラウドネイティブなシステムとは?
クラウドネイティブとは、クラウドの特性を最大限に活かすようデザインされたシステムのことを指します。従来の「クラウド移行」とは異なり、クラウドを前提とした設計思想に基づいています。クラウドネイティブなシステムは、柔軟性と可用性に優れ、障害発生時の切り替えが容易です。マルチリージョンやマルチクラウドの構成で冗長化を図ることができるため、自然災害などによるデータセンターの被災にも強い設計となっています。
クラウドネイティブの特徴
- クラウドの特性を最大限に活かした設計
- 柔軟性と可用性に優れる
- 障害発生時の切り替えが容易
- マルチリージョン/マルチクラウド対応
柔軟性と可用性に優れたクラウドネイティブアーキテクチャ
クラウドネイティブなアーキテクチャの代表的な例が、マイクロサービスアーキテクチャです。モノリシックなアプリケーションを小さな機能単位のサービスに分割し、疎結合に設計することで、システム全体の柔軟性が高まります。各サービスはコンテナ化され、オーケストレーションツールによって管理されます。障害発生時は、影響を受けた部分のみを素早く切り離し、修復や再起動が可能です。
事例紹介: 大手小売企業のECサイトのクラウドネイティブ化
自然災害による物流拠点の被災に備え、ECサイトをクラウドネイティブ化。マイクロサービスアーキテクチャを採用し、コンテナ化とオーケストレーションを実施。マルチリージョン構成によりサイトの可用性を高めた。また、コンテナ化により障害発生時の影響範囲を局所化できるようになった。
クラウドネイティブで事業継続性を高める具体的な方法
クラウドネイティブなアプローチを取り入れることで、どのように事業継続性を高められるのでしょうか。マルチリージョン/マルチクラウドの活用と、コンテナ化・オーケストレーションの導入が、事業継続性向上の鍵となります。
マルチリージョン/マルチクラウドを活用したシステム構成
クラウドベンダーが提供するリージョン(データセンター)を複数活用し、システムを冗長化することで高い可用性を実現できます。さらに、複数のクラウドベンダーを組み合わせたマルチクラウド構成にすれば、単一のベンダーにリスクを集中させずに事業継続性をより高められます。
マルチリージョン/マルチクラウド活用のポイント
マルチリージョン/マルチクラウドを導入する際の懸念は、システムの複雑化やコストの増大です。
- 必要最小限の冗長構成から始める
- クラウドネイティブなツールを活用し、運用の自動化を図る
- リソースの最適化を行い、無駄なコストを排除する
コンテナ化とオーケストレーションの活用
アプリケーションをコンテナ化し、オーケストレーションツールで管理することで、障害発生時の対応力が大幅に向上します。影響を受けた部分のみを素早く切り離し、修復や再起動が可能になるため、サービスの中断時間を最小限に抑えられます。さらに、リソースの最適化も図れるため、コスト削減にも貢献します。
コンテナ化の効果
・アプリケーションの可搬性が向上し、移行が容易になる
・リソース効率が最大95%向上(出典: Docker社調べ、2021年)
・オーケストレーションによるスケーリングと自動化で運用が簡素化
クラウドネイティブ導入に伴う課題と対策
クラウドネイティブなアプローチには多くのメリットがありますが、一方で新たな課題も生じます。特にセキュリティとガバナンスの確立が重要になってきます。適切な対策を講じることで、クラウドネイティブの強みを最大限に発揮できるでしょう。
セキュリティ対策の徹底
クラウドネイティブなシステムではリソースが分散化・一時化されるため、従来のセキュリティ対策では不十分になります。コンテナやオーケストレーションツールなど新たな技術に対応したセキュリティ強化が必要不可欠です。「セキュリティバイデザイン」の考え方に基づき、開発段階からセキュリティを確保することが重要です。
クラウドネイティブセキュリティの重要ポイント
- コンテナやオーケストレーションツールへの対策
- セキュリティバイデザインの徹底
- ガバナンスを含めた包括的なセキュリティ戦略
ガバナンスの確立と運用体制の整備
クラウドネイティブなシステムは、従来のモノリシックなシステムとは大きく異なります。そのため、開発プロセスやリソース管理、監視・運用体制など、あらゆる面でガバナンスを見直す必要があります。DevOpsの理念に基づき、開発と運用が連携して一元的にガバナンスを確立することが重要です。また、新しいツールや技術に精通した人材の育成と確保も欠かせません。